日本橋-はじまりは徳川家康の時代に架けられた木造の橋

名橋)日本橋の周辺では、未来に向けた大規模なまちづくりが進行中です。そこでは、伝統と革新が共存した新たな始まりを予感させます。青空のある日本橋の復活、超高層ビルの建設、舟運による新たな交通手段など、大きく変貌する日本橋周辺を、日本橋の見どころと共に紹介していきます。



これが、日本橋!

400年以上の歴史ある名橋

現在の日本橋は、明治44年(1911)に架橋された、ルネサンス様式の石造二連アーチ橋です。平成11年(1999)に国指定重要文化財となっています。橋の上空を覆っているのは首都高速道路の高架橋で、2040年までに撤去される予定です。


日本橋▼東京都中央区日本橋1丁目~日本橋室町1丁目


MAP 日本橋周辺

アクセス

  • 半蔵門線・銀座線「三越前」駅B6出口から徒歩直ぐ
  • 銀座線・東西線「日本橋」駅B12出口から徒歩5分
  • JR「東京」駅日本橋口から徒歩10分

 

日本橋の見どころ

日本の道路網の起点

日本国道路元標

徳川家康の時代に、五街道の起点として定められた日本橋。現在、橋の中央(国道上)には、日本の道路網の起点であることを示す「日本国道路元標」が埋め込まれています。(注:国道上は交通量が激しいので、見学は複製が置かれている「元標の広場」がオススメ。)


橋(国道上)の中央に埋め込まれている「日本国道路元標」

日本橋の装飾

麒麟像(きりんぞう)と獅子像

橋の中央には、東京の繁栄を表現した「麒麟像」が置かれ、橋の両端には、東京の守護を表現した「獅子像」が見られます。


麒麟(きりん)像


東京市(現・東京都)の紋章を持った獅子像

橋銘板

4ヶ所の親柱にある橋銘板は、15代将軍「徳川慶喜」によって揮毫(きごう)されたものです。


橋銘板

日本橋のたもと


MAP 日本橋のたもと

乙姫広場(北詰東側)

日本橋魚河岸記念碑

かつて、日本橋から江戸橋の間の日本橋川沿い(北岸)には「魚河岸」がありました。記念碑には「日本橋魚市場発祥の地」と刻まれています。


乙姫広場(記念碑と乙姫像)

●下記関連記事内で紹介しています。
日本橋魚河岸跡-江戸時代初期から関東大震災まで日本橋にあった魚市場

元標の広場(北詰西側)

東京市道路元標(国指定重要文化財)
日本国道路元標(複製)

里程標

「東京市道路元標」は、かつて都電架線の指示柱を兼ね、昭和47年の道路改修により、橋の中央(国道上)から元標の広場へ移設されたものです。
また、橋の中央(国道上)に埋め込まれている「日本国道路元標」の複製と、主要地点までの距離が示された「里程標」が置かれています。


元標の広場

花の広場(南詰西側)

日本橋由来記の碑

ここは高札場だったところで、幕府の法令やお触れを板面に記して民衆に告示していました。現在は、高札に似せた「日本橋由来記の碑」が日本橋の歴史を紹介しています。


日本橋由来記の碑

街歩きに役立つ情報をゲット♪

花の広場の「日本橋観光案内所」では、日本橋などの観光名所や人気スポットを、多言語に対応するコンシェルジュが案内してくれます。


日本橋観光案内所 ▼東京都中央区日本橋1-1-1地先
▼10:00~17:00元日休

 

滝の広場(南詰東側)

日本橋船着場

ここには、隅田川、東京港、神田川などを周遊するクルーズ船の船着場があり、現在の日本橋が架橋100周年を迎えた2011年に完成しました。また、東京都が新たな交通手段として取組みを進めている「舟旅通勤」が運航中です。


日本橋船着場



日本橋の歴史

日本橋のはじまり

  • 1590年 徳川家康江戸入府
  • 1600年 関ヶ原の戦い
  • 1603年 江戸幕府開府/日本橋の創架
  • 1604年 日本橋を五街道の起点に定める

日本橋の創架は、徳川家康が幕府を開いた慶長八年(一六〇三)と伝えられています。翌年、日本橋が幕府直轄の主要な五つの陸上交通路(東海道・中山道・奥州道中・日光道中・甲州道中)の起点として定められました。
引用:日本橋案内板(中央区教育委員会)

日本の中心地へ

江戸時代、日本橋は五街道の起点・舟運の要所として、日本全国から、沢山の人と物が集まる日本の中心地となりました。それらの交流により、今までになかった新たな産業や文化が誕生していきます。

江戸市街の中心に位置した日本橋は、橋のたもとの日本橋川沿いに活気のある魚市場が立ち並び、周辺に諸問屋が軒を連ねるなど、江戸随一の繁華な場所でした。
引用:日本橋案内板(中央区教育委員会)

 


五十三次名所図会 日本橋 東雲の景
歌川広重(出典:国立国会図書館)

 

江戸時代の日本橋を歩いて渡ってみませんか?
江戸東京博物館(東京都墨田区)では、江戸時代の日本橋を実際に歩いて渡ることができます。北側半分を復元したものですが、それでも圧倒される大きさです。


復元された日本橋 江戸東京博物館

※江戸東京博物館は、大規模改修工事のため、休館中です。休館期間は令和4年4月1日~令和7年度中(予定)

 



未来に向けたまちづくり

青空のある日本橋の復活

首都高地下化事業

首都高速道路の日本橋区間地下化事業では、日本橋の上空を覆っている首都高速道路の高架橋が撤去され、青空のある日本橋の景観が復活します。完成までのスケジュールは、2035年にトンネルが開通、2040年までに現在の高架橋が撤去される予定です。


日本橋に青空を(出典:日本橋一丁目中地区建設現場)

超高層ビルの建設

日本橋周辺の大規模再開発

日本橋の直ぐ南側(③日本橋一丁目中地区)では、オフィス・店舗・ホテルなどが入る、地上52階、地下5階の超高層ビルが2026年3月末竣工予定です。三越の向かい側(⑤日本橋室町一丁目地区)でも、地上33階、地下4階の超高層ビルが、2024年度着工予定/2029年度竣工予定。日本橋周辺では、このような大規模なまちづくりが進行中です。


日本橋周辺の大規模再開発地域(概略図)
参考:日本橋川沿いエリアのまちづくりビジョン2021<日本橋川周辺のまちづくり>中央区

八重洲一丁目北地区(南街区)
・地上44階、地下3階
・着工予定:2024年度
・竣工予定:2029年7月

日本橋一丁目1・2番地区(A街区)
・地上25階、地下3階
・着工予定:2027年4月

・竣工予定:2032年3月
日本橋一丁目中地区(C街区)
・地上52階、地下5階

・竣工予定:2026年3月末
日本橋一丁目東地区(A街区とB街区)
・A街区)地上40階、地下4階、着工予定:2026年度

・B街区)地上51階、地下3階、着工予定:2027年度
・A、B街区)竣工予定:2031年度
日本橋室町一丁目地区(A街区)
・地上33階、地下4階
・着工予定:2024年度
・竣工予定:2029年度

舟運による新たな交通手段

舟旅通勤

2023年10月25日から「舟旅通勤」が開始されました。これは東京都が新たな交通手段として取組みを進めているもので、舟運を身近な観光・交通手段の選択肢の一つとして定着させることを目指しています。現在、運航中の「日本橋~豊洲」航路では、日本橋船着場(日本橋のたもとの滝の広場)から乗船します。詳細は「東京舟旅」のホームページでご確認ください。


日本橋船着場(滝の広場)
写真は2種類ある船舶の一つ「リムジンボート」



ココを歩いてみて

大きく変貌する日本橋周辺

名橋)日本橋周辺では、首都高速道路の地下化や複数の超高層ビルの建設が続き、未来に向けた大規模なまちづくりが進行中です。日本橋周辺は大きく変貌しようとしています。