江戸の金座跡-小判を製造していた金座と日本銀行との関係

江戸時代には小判などの金貨を製造する金座が置かれ、明治以降は第一国立銀行、旧三井銀行、そして、日本銀行が開業している日本橋。江戸時代から続く金融の街「日本橋」で、お金の歴史に少しだけ触れてみませんか?。

金座から日本銀行へ

金座の歴史

金座のはじまり

金座とは、江戸幕府勘定奉行の管轄下にあった貨幣製造機関。文禄4年(1595)、後藤庄三郎光次が徳川家康の命により、御用彫金師であった後藤徳乗の代わりに江戸に行き、小判を製造したことがはじまり。下記、金吹方之図は、金座で金貨を製造する作業を描いた絵巻の一部です。


金吹方之図(出典:国立公文書館所蔵)

江戸時代最初の金貨・慶長小判などは、各地の小判座で小判師が原料を調達し、金貨に仕上げて御金改役所(後藤役所)に納めていた。元禄の改鋳では江戸の本郷に製造所をつくり、小判師を集めて後藤家の指示のもと金貨をつくった。
その後、日本橋の後藤役所の敷地内に製造所を移し、金座とよばれるようになった。
引用:貨幣博物館展示室

江戸幕府の貨幣製造機関として

大判を除く全ての金貨(小判など)を製造。最初は駿府、京都、佐渡にも金座が置かれていましたが、その後、江戸に統合。

金座の廃止

幕府の崩壊により、明治元年(1868)に明治政府に接収され、明治2年(1869)には造幣局の設立によって廃止となりました。

日本銀行へ

金座の跡地に立つ日本銀行本店


日本銀行本店

日本銀行は1882年、永代橋(日本橋箱崎町)にあった建物を利用して開業しました。1896年、辰野金吾設計による日本銀行本店(現本店旧館<本館>)の建物が完成し、現在の場所(日本橋本石町)に移転しました。
引用:貨幣博物館リーフレット

国の重要文化財に指定

旧館、新館、分館の3つの建物からなる日本銀行本店。旧館のうち本館は現在の日本銀行本店の中で最も古く、石積みレンガ造の西洋式建築物は国の重要文化財に指定されています。

日本銀行本店の見学をしてみませんか?

見学には「一般見学」と「当日見学」があり、料金は無料。

  • 一般見学(事前予約が必要・所要時間約60分)
    国の重要文化財に指定されている本館の中庭、昭和初期に竣工した旧館の一部、新館(1階営業場)等を解説付きで見学します。
  • 当日見学(事前予約不要・所要時間約30分)
    貨幣博物館映像コーナー内で日本銀行の仕事や役割、組織などについての説明を聞き、その後、国の重要文化財である本館の外観を解説付きで見学します。(※当日見学では建物内に入ることはできません。)

※見学日、見学時間など詳細は、日本銀行ホームページで確認願います(https://www.boj.or.jp/about/services/kengaku.htm/)

日本銀行金融研究所 貨幣博物館

日本銀行本店に隣接する日本銀行分館内にある「貨幣博物館」がおすすめです。日本銀行創立100周年(1982年)を記念して1985年11月に開館。古代から現代までの様々なお金やお金に関する歴史を展示・解説。ここには金座の歴史も紹介されています。


貨幣博物館入口

展示室内は自由見学で展示数は約3,000点

歴代の大判・小判・日本銀行券も見どころの一つ。本物のお金以外にも、職人が金座に出入りした際に提示した「門鑑」や、当時の財布などの細かいものまでも多数展示。

貨幣の統一を目指していた豊臣秀吉や徳川家康の歴史も紹介!

貨幣天下統一

徳川家康は、全国の金銀鉱山を直轄化するとともに、貨幣をつくる技術を管理し、金貨・銀貨の製造体制を整備しました。そして国家として約650年ぶりに、大きさ・重さ・品位(金銀の含有率)などを統一した金貨と銀貨を発行した。
引用:貨幣博物館展示室

※休館日等の確認は貨幣博物館のホームページで(https://www.imes.boj.or.jp/cm/)

 

ココを歩いてみて

日本銀行本店の見学

「当日見学」なら事前予約の必要なし

日本銀行本店の見学には「一般見学」と「当日見学」があります。一般見学は事前予約が必要ですが、当日見学は事前予約なしに当日に見学ができます。当日見学は日本銀行本店内に入ることはできませんが、解説をしてくれるガイドの方と日本銀行本店の敷地内で見学ができます。短い時間でしたが、勉強になる一時でした。(※当日見学でも見学日、見学時間等は決められています。)

人気の貨幣博物館と合わせて楽しみたい

本物の小判が見られる博物館

日本銀行本店に隣接する貨幣博物館では、本物の小判を見ながら、お金の歴史を楽しめます。所要時間は30分から60分。入館料は無料です。

小学生から大人までが楽しめる博物館

平日の午後に訪れると、中高年の方を多く見かけましたが、20名くらいの小学生(高学年)の姿もありました。展示室では時代ごとに本物のお金が展示され、お金の歴史を分かり易く解説しています。見どころも多く、大人も楽しめる博物館です。さらに、千両箱の重さ(約20kg)を体験したり、お札に使われている偽造防止技術を確認したりと、お金の歴史以外でも楽しむことができます。

 

アクセス情報

金座跡(現・日本銀行本店)

  • 所在地
    東京都中央区日本橋本石町2-1-1
  • 交通
    地下鉄半蔵門線「三越前」駅B1出入口から徒歩1分(※本館まで)