日本橋エリアの散策(JR東京駅日本橋口→日本橋交差点)

日本橋エリアは、江戸時代初期に城下町として造成され、江戸の中心地として栄えたところ。そこでは、五街道の整備などで日本全国から集まってきた沢山の人が交流し、今までになかった新たな産業、文化が誕生しました。日本橋エリアの散策では、名橋)日本橋などの「歴史的建造物」だけでなく、江戸時代から創業し、歴史と伝統を引き継ぐ「老舗店」も見逃せないポイントです。



散策ルート

概要

JR「東京」駅 → 日本橋交差点(コレド日本橋)

JR「東京」駅日本橋口をスタートし、日本橋エリアを歩きます。(一石橋は工事中のため、迂回路を通ります)


MAP 日本橋エリアの散策ルート

浮世絵)名所江戸百景「八ツ見のはし」
日本銀行本店本館
貨幣博物館
浮世絵)東都名所「駿河町之図」
老舗店)にんべん日本橋本店
老舗店)山本海苔店
老舗店)八木長本店
名橋)日本橋

浮世絵)名所江戸百景「日本橋通一丁目略図」

全体所要時間
約2時間(貨幣博物館の見学30分含む)

距離
約1.3km

 

日本橋エリアを歩く

スタート

  JR「東京」駅日本橋口

  <5分>

浮世絵)名所江戸百景「八ツ見のはし」

「八ツ見の橋」とは「一石橋」のこと

一石橋は工事中のため、橋の手前で左折し、迂回路を通ります

浮世絵の舞台となったところ!

 名所江戸百景「八ツ見のはし」

橋上に立つと、自身も含めて八つの橋(一石橋、日本橋、江戸橋、常磐橋、呉服橋、鍛冶橋、銭瓶橋、道三橋)が見渡せることに由来し、江戸の名所の一つといわれました。橋上からの眺望は、歌川広重の名所江戸百景の中で「八ツ見のはし」として描かれています。手前に見える橋の欄干の一部が一石橋です。


名所江戸百景「八ツ見のはし」
歌川広重(出典:国立国会図書館)

 面影なし


一石橋から(浮世絵と同じ方向)

 

ココのポイント!
一石橋からの眺望に、かつての面影はありませんが、この場所は、江戸の名所の一つといわれ、歌川広重の名所江戸百景の中で「八ツ見のはし」として描かれています。

 

一石橋の親柱
平成14年(2002)に中央区民文化財に登録されています。
一石橋迷子しらせ石標

一石橋親柱の直ぐ左隣には、江戸時代からの「迷子しらせ石標」が見られます。江戸時代、この辺りは迷子が多かったため、迷子を知らせる石碑が建てられました。


一石橋迷子しらせ石標 ※写真は工事前

●下記関連記事内で紹介しています。
一石橋-八つの橋が見渡せた江戸の名所の一つ

 

 迂回路(川沿い)を進みます <5分>

日本銀行本店本館

本館は国指定重要文化財

江戸時代、現在の日本銀行本店のある場所には「金座」がありました。金座とは、現在の中央銀行同様の役割を担っていた組織です。


日本銀行本店(写真は本館)

 

ココのポイント!
事前予約必要!
日本銀行本店の見学は事前予約が必要です。見学はガイドの解説付きで、所要時間は約60分。料金は無料。見学時間が決められ、途中退出不可。詳細は日本銀行本店HPで確認願います。
日本銀行本店HP:https://www.boj.or.jp/about/services/kengaku.htm

●下記関連記事内で紹介しています。
金座跡地の「日本銀行」と本物の小判を見学できる「貨幣博物館」

 

 直ぐ前

貨幣博物館

本物の小判を見学できる博物館

様々なお金やお金に関する歴史を展示・解説しています。幅広い世代が楽しめる人気の博物館です。


貨幣博物館(入口)

 

ココのポイント!
事前予約不要!
貨幣博物館の見学は事前予約が不要です。見学は自由見学で、退出も自由です。所要時間は30分~60分程度。入館料は無料。詳細は貨幣博物館HPで確認願います。
貨幣博物館HP:https://www.imes.boj.or.jp/cm/

●下記関連記事内で紹介しています。
金座跡地の「日本銀行」と本物の小判を見学できる「貨幣博物館」

 

 中央通りへ <5分>

浮世絵)東都名所「駿河町之図」

浮世絵の舞台となったところ!

 「越後屋」と「三井両替店」

浮世絵は、伊勢松坂の商人「三井高利」が日本橋に開業した呉服店の「越後屋」です。店前売り、現金掛け値なしという販売方法で大店に成長。一日の売上が千両といわれた江戸時代最大の呉服商です。
天和2年(1682)に本町一丁目から駿河町へ移転し、翌年に店舗を拡張して「三井両替店」を開店。奥に伸びる通りの両側が越後屋です。


東都名所「駿河町之図」 歌川広重(出典:国立国会図書館)

 「三越」と「三井住友銀行」

越後屋は「現・日本橋三越本店」、そして越後屋に併設されていた三井両替店は「現・三井住友銀行」に至ります。奥に伸びる通り(江戸桜通り)の左側が日本橋三越本店で、右側が三井本館(三井住友銀行など入居)です。


日本橋三越本店(左側)と三井本館(右側)
※通って来た散策ルート方向を、中央通りから見ています。

 

ココのポイント!
日本橋三越本店
呉服店の「越後屋」を前身とする老舗百貨店。三越の名称は「三井」の”三”と「越後屋」の”越”に由来します。平成28年(2016)7月、ルネサンス様式の外観を持つ本館が国の重要文化財に指定。
三井本館
三井財閥の本拠地として「越後屋」跡地に建てられた大規模オフィスビル。平成10年(1998)に国の重要文化財に指定。7階には「三井記念美術館」があり、三井家が江戸時代から収集した美術品が展示されています。

 

老舗店)にんべん日本橋本店

創業:元禄12年(1699)/鰹節の老舗店

始まりは、日本橋で戸板に並べた鰹節と干魚類の商いからでした。江戸時代から300年余りにわたり鰹節を中心とした商いを続けてきた老舗店です。


にんべん日本橋本店▼東京都中央区日本橋室町2-2-1 コレド室町1・1階

老舗店)山本海苔店

創業:嘉永2年(1849)/海苔の老舗店

日本橋室町で創業以来、海苔ひとすじ170年余りの歴史を持つ老舗店。味附け海苔は山本海苔店が創製。”味附け海苔の元祖”といわれています。


山本海苔店▼東京都中央区日本橋室町1-6-3

老舗店)八木長本店

創業:元文2年(1737)/鰹節と乾物の老舗店

八代将軍徳川吉宗の頃に日本橋で創業。280年余りの歴史を持つ、鰹節・乾物の専門店。名物の”かつおせんべい”は人気商品の一つです。


八木長本店▼東京都中央区日本橋室町1-7-2

名橋)日本橋

400年以上の歴史ある橋

日本橋が初めて架けられたのは、徳川家康の時代。現在の橋は、明治44年(1911)に架けられたもの。橋の中央にある「麒麟像」、橋の両端にある「獅子像」の装飾も見逃せません。


日本橋(国指定重要文化財)


麒麟像(左)と獅子像(右)

日本橋のたもと(4ヶ所)

日本橋に魚河岸があったことを今に伝える記念碑や、江戸の中心だった日本橋ならではの史跡が見られます。


MAP 日本橋のたもと

乙姫広場(北詰東側)
ここには「日本橋魚河岸記念碑」が置かれ、日本橋に江戸時代初期から300年余り続いた「魚河岸」があったことを今に伝えています。


乙姫広場(記念碑と乙姫像)

●下記関連記事内で紹介しています。
日本橋魚河岸跡-江戸時代初期から関東大震災まで日本橋にあった魚市場

元標の広場(北詰西側)
橋の中央(国道上)に埋め込まれている「日本国道路元標」の複製や、橋の中央(国道上)から移設された「東京市道路元標」などが置かれています。


元標の広場

花の広場(南詰西側)
ここは「高札場」だったところです。現在は高札に似せた「日本橋由来記の碑」が日本橋の歴史を紹介しています。


日本橋由来記の碑

滝の広場
階段を降りると、隅田川、東京港、神田川などを周遊するクルーズ船の船着場があり、船の上から江戸時代の歴史に触れられる周遊コースなどが楽しめます。


日本橋船着場

 

ココのポイント!
見どころのポイントは、日本橋の装飾、日本橋のたもとの記念碑や史跡などが挙げられます。 

●下記関連記事内で紹介しています。
日本橋-はじまりは徳川家康の時代に架けられた木造の橋

 

浮世絵)名所江戸百景「日本橋通一丁目略図」

浮世絵の舞台となったところ!

 日本橋通一丁目

浮世絵は、江戸最大の繁華街の様子です。そこは江戸のメインストリートで、大店が集まる江戸の一等地。江戸の三大呉服店の一つ「白木屋」(浮世絵右手)が描かれています。


名所江戸百景「日本橋通一丁目略図」
歌川広重(出典:国立国会図書館)

 中央区日本橋一丁目

江戸のメインストリートは、今も都心を南北に貫く大動脈(中央通り)です。かつて白木屋があった場所は、東急百貨店を経て、コレド日本橋(写真右手)となっています。


東京都中央区日本橋一丁目(日本橋交差点) 赤枠:浮世絵の場所

 

ココのポイント!
ここが江戸のメインストリートだったところです。表通りには、白木屋などの有名大店が集中していました。白木屋とは、江戸三大呉服店(駿河町の越後屋/通一丁目の白木屋/大伝馬町の大丸屋)の一つに数えられる大店で、後に百貨店へと転身を遂げています。 

 

---散策終了---

※ここから、スタート地点のJR「東京」駅日本橋口までは徒歩7分です。