日本橋エリアは、江戸時代初期に城下町として造成され、江戸の中心地として栄えたところ。そこでは、五街道の整備などで日本全国から集まってきた沢山の人が交流し、今までになかった新たな産業、文化が誕生しました。日本橋エリアの散策では、名橋)日本橋などの「歴史的建造物」だけでなく、江戸時代から創業し、歴史と伝統を引き継ぐ「老舗店」も見逃せないポイントです。
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散策ルート
概要
JR「東京」駅 → 日本橋交差点(コレド日本橋)
JR「東京」駅日本橋口をスタートし、日本橋エリアを歩きます。(一石橋は工事中のため、迂回路を通ります)
MAP 日本橋エリアの散策ルート
①浮世絵)名所江戸百景「八ツ見のはし」
②日本銀行本店本館
③貨幣博物館
④浮世絵)東都名所「駿河町之図」
⑤老舗店)にんべん日本橋本店
⑥老舗店)山本海苔店
⑦老舗店)八木長本店
⑧名橋)日本橋
⑨浮世絵)名所江戸百景「日本橋通一丁目略図」
全体所要時間
約2時間(貨幣博物館の見学30分含む)
距離
約1.3km
日本橋エリアを歩く
スタート
JR「東京」駅日本橋口
<5分>
① 浮世絵)名所江戸百景「八ツ見のはし」
「八ツ見の橋」とは「一石橋」のこと
浮世絵の舞台となったところ!
名所江戸百景「八ツ見のはし」
橋上に立つと、自身も含めて八つの橋(一石橋、日本橋、江戸橋、常磐橋、呉服橋、鍛冶橋、銭瓶橋、道三橋)が見渡せることに由来し、江戸の名所の一つといわれました。橋上からの眺望は、歌川広重の名所江戸百景の中で「八ツ見のはし」として描かれています。手前に見える橋の欄干の一部が一石橋です。
名所江戸百景「八ツ見のはし」
歌川広重(出典:国立国会図書館)
面影なし
一石橋から(浮世絵と同じ方向)
一石橋からの眺望に、かつての面影はありませんが、この場所は、江戸の名所の一つといわれ、歌川広重の名所江戸百景の中で「八ツ見のはし」として描かれています。
一石橋の親柱
平成14年(2002)に中央区民文化財に登録されています。
一石橋迷子しらせ石標
一石橋親柱の直ぐ左隣には、江戸時代からの「迷子しらせ石標」が見られます。江戸時代、この辺りは迷子が多かったため、迷子を知らせる石碑が建てられました。
一石橋迷子しらせ石標 ※写真は工事前
●下記関連記事内で紹介しています。
一石橋-八つの橋が見渡せた江戸の名所の一つ
迂回路(川沿い)を進みます <5分>
② 日本銀行本店本館
本館は国指定重要文化財
江戸時代、現在の日本銀行本店のある場所には「金座」がありました。金座とは、現在の中央銀行同様の役割を担っていた組織です。
日本銀行本店(写真は本館)
事前予約必要!
日本銀行本店の見学は事前予約が必要です。見学はガイドの解説付きで、所要時間は約60分。料金は無料。見学時間が決められ、途中退出不可。詳細は日本銀行本店HPで確認願います。
日本銀行本店HP:https://www.boj.or.jp/about/services/kengaku.htm
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金座跡地の「日本銀行」と本物の小判を見学できる「貨幣博物館」
直ぐ前
③ 貨幣博物館
本物の小判を見学できる博物館
様々なお金やお金に関する歴史を展示・解説しています。幅広い世代が楽しめる人気の博物館です。
貨幣博物館(入口)
事前予約不要!
貨幣博物館の見学は事前予約が不要です。見学は自由見学で、退出も自由です。所要時間は30分~60分程度。入館料は無料。詳細は貨幣博物館HPで確認願います。
貨幣博物館HP:https://www.imes.boj.or.jp/cm/
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金座跡地の「日本銀行」と本物の小判を見学できる「貨幣博物館」
中央通りへ <5分>
④ 浮世絵)東都名所「駿河町之図」
浮世絵の舞台となったところ!
「越後屋」と「三井両替店」
浮世絵は、伊勢松坂の商人「三井高利」が日本橋に開業した呉服店の「越後屋」です。店前売り、現金掛け値なしという販売方法で大店に成長。一日の売上が千両といわれた江戸時代最大の呉服商です。
天和2年(1682)に本町一丁目から駿河町へ移転し、翌年に店舗を拡張して「三井両替店」を開店。奥に伸びる通りの両側が越後屋です。
東都名所「駿河町之図」 歌川広重(出典:国立国会図書館)
「三越」と「三井住友銀行」
越後屋は「現・日本橋三越本店」、そして越後屋に併設されていた三井両替店は「現・三井住友銀行」に至ります。奥に伸びる通り(江戸桜通り)の左側が日本橋三越本店で、右側が三井本館(三井住友銀行など入居)です。
日本橋三越本店(左側)と三井本館(右側)
※通って来た散策ルート方向を、中央通りから見ています。
日本橋三越本店
呉服店の「越後屋」を前身とする老舗百貨店。三越の名称は「三井」の”三”と「越後屋」の”越”に由来します。平成28年(2016)7月、ルネサンス様式の外観を持つ本館が国の重要文化財に指定。
三井本館
三井財閥の本拠地として「越後屋」跡地に建てられた大規模オフィスビル。平成10年(1998)に国の重要文化財に指定。7階には「三井記念美術館」があり、三井家が江戸時代から収集した美術品が展示されています。
⑤ 老舗店)にんべん日本橋本店
創業:元禄12年(1699)/鰹節の老舗店
始まりは、日本橋で戸板に並べた鰹節と干魚類の商いからでした。江戸時代から300年余りにわたり鰹節を中心とした商いを続けてきた老舗店です。
にんべん日本橋本店▼東京都中央区日本橋室町2-2-1 コレド室町1・1階
⑥ 老舗店)山本海苔店
創業:嘉永2年(1849)/海苔の老舗店
日本橋室町で創業以来、海苔ひとすじ170年余りの歴史を持つ老舗店。味附け海苔は山本海苔店が創製。”味附け海苔の元祖”といわれています。
山本海苔店▼東京都中央区日本橋室町1-6-3
⑦ 老舗店)八木長本店
創業:元文2年(1737)/鰹節と乾物の老舗店
八代将軍徳川吉宗の頃に日本橋で創業。280年余りの歴史を持つ、鰹節・乾物の専門店。名物の”かつおせんべい”は人気商品の一つです。
八木長本店▼東京都中央区日本橋室町1-7-2
⑧ 名橋)日本橋
400年以上の歴史ある橋
日本橋が初めて架けられたのは、徳川家康の時代。現在の橋は、明治44年(1911)に架けられたもの。橋の中央にある「麒麟像」、橋の両端にある「獅子像」の装飾も見逃せません。
日本橋(国指定重要文化財)
麒麟像(左)と獅子像(右)
日本橋のたもと(4ヶ所)
日本橋に魚河岸があったことを今に伝える記念碑や、江戸の中心だった日本橋ならではの史跡が見られます。
MAP 日本橋のたもと
A 乙姫広場(北詰東側)
ここには「日本橋魚河岸記念碑」が置かれ、日本橋に江戸時代初期から300年余り続いた「魚河岸」があったことを今に伝えています。
乙姫広場(記念碑と乙姫像)
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日本橋魚河岸跡-江戸時代初期から関東大震災まで日本橋にあった魚市場
B 元標の広場(北詰西側)
橋の中央(国道上)に埋め込まれている「日本国道路元標」の複製や、橋の中央(国道上)から移設された「東京市道路元標」などが置かれています。
元標の広場
C 花の広場(南詰西側)
ここは「高札場」だったところです。現在は高札に似せた「日本橋由来記の碑」が日本橋の歴史を紹介しています。
日本橋由来記の碑
D 滝の広場
階段を降りると、隅田川、東京港、神田川などを周遊するクルーズ船の船着場があり、船の上から江戸時代の歴史に触れられる周遊コースなどが楽しめます。
日本橋船着場
見どころのポイントは、日本橋の装飾、日本橋のたもとの記念碑や史跡などが挙げられます。
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日本橋-はじまりは徳川家康の時代に架けられた木造の橋
⑨ 浮世絵)名所江戸百景「日本橋通一丁目略図」
浮世絵の舞台となったところ!
日本橋通一丁目
浮世絵は、江戸最大の繁華街の様子です。そこは江戸のメインストリートで、大店が集まる江戸の一等地。江戸の三大呉服店の一つ「白木屋」(浮世絵右手)が描かれています。
名所江戸百景「日本橋通一丁目略図」
歌川広重(出典:国立国会図書館)
中央区日本橋一丁目
江戸のメインストリートは、今も都心を南北に貫く大動脈(中央通り)です。かつて白木屋があった場所は、東急百貨店を経て、コレド日本橋(写真右手)となっています。
東京都中央区日本橋一丁目(日本橋交差点) 赤枠:浮世絵の場所
ここが江戸のメインストリートだったところです。表通りには、白木屋などの有名大店が集中していました。白木屋とは、江戸三大呉服店(駿河町の越後屋/通一丁目の白木屋/大伝馬町の大丸屋)の一つに数えられる大店で、後に百貨店へと転身を遂げています。
---散策終了---
※ここから、スタート地点のJR「東京」駅日本橋口までは徒歩7分です。