皇居外苑-半蔵門から桜田門までの散策(桜田濠)

徳川家に仕えていた服部半蔵に由来するといわれる半蔵門。今回の散策は、その半蔵門から桜田門までの約25分間。歌川広重の名所江戸百景の舞台にもなった「桜田濠」の景観を楽しむことができます!

概要

散策コース

旧江戸城の半蔵門から桜田門までの約1.4km(所要時間:約25分)

半蔵門→桜田濠柳の井名所江戸百景の一つ→桜田門


散策コース(半蔵門→桜田門)

散策のポイント

  • 服部半蔵に由来するといわれる半蔵門
  • 外苑濠最大の美しい桜田濠
  • 旧江戸城のお濠と都会のビル群が織りなす景観
  • 名水として知られた井戸
  • 歌川広重の名所江戸百景の一つ
  • 国指定重要文化財の桜田門

 

半蔵門をスタート

半蔵門

厳重に警備された門

現在は皇居の通用門として使用され、一般の通行はできません。門前には警察車両が並び、警察官が警備。門に近づくことはできませんが、門の存在はしっかりと確認ができます。


半蔵門

半蔵門の歴史

甲州街道に繋がる、江戸城内郭門の一つ。門は元和6年(1620)、仙台藩(現・宮城県)藩主伊達政宗ほか6名の東国大名により築造されています。江戸城の「搦手門」として、将軍有事の際にはこの門から出て甲州街道を通り、甲府へ逃れるルートが想定されていました。かつては枡形城門でしたが、明治4年(1871)に渡櫓門が撤廃され、現在は和田倉門から移築された高麗門だけになっています。

名前の由来

服部半蔵に由来するといわれていますが、これには諸説あり。

名前の由来は、伊賀者の服部半蔵がこのあたりに配下とともに屋敷を拝領していたという説があります。ほかにも、この門から城内に入る山王祭礼の象の山車が枡形門をくぐることができず、半分だけしか入らなかったという説もあります。
引用:半蔵門案内板

半蔵門の直ぐ前で警備をしているのは皇宮護衛官です。また、土橋の外側で警備をしているのは警視庁の警察官になります。厳重な警備がされていますが、立ち入り禁止区域に入らなければ写真撮影等ができます。

桜田濠

外苑濠最大のお濠

全長約1.4km、平均濠幅約67mの桜田濠。お濠と都会のビル群が織りなす景観が人気です。旧江戸城の中でも標高の高い半蔵門付近からは、迫力ある美しい景観が望めます。


桜田濠の景観

霞が関、丸の内方面の夜景

桜田濠の景観は夜景もお勧め。暗闇に浮かび上がる幻想的な光景が見られます。


桜田濠と霞が関方面の夜景

柳の井(東京都指定旧跡)

枯れることのない名水として知られた井戸

桜田濠土手下には「柳の井」と名付けられた井戸が存在します。現在は案内板が置かれ、井戸を見ることはできません。


柳の井案内板


柳の井「江戸名所図会」(千代田区教育委員会蔵)
(出典:柳の井案内板)

東京都指定旧跡 1955年(昭和30年)3月28日指定

桜田濠の土手下にある井戸は傍らの柳の木にちなみ柳の井と名付けられました。江戸時代には旱魃の際にも枯れることのない名水として知られ、多くの通行人が利用したと言われています。道を挟んだ国会前庭(かつての加藤清正邸・井伊掃部頭邸)には、やはり名水として知られた桜の井があります。
引用:柳の井案内板

名所江戸百景の一つ

歌川広重の名所江戸百景「外桜田弁慶堀糀町」の舞台となったところ

弁慶堀とは今の桜田濠のことで、桜田濠沿いから永田町・隼町方面を描いた浮世絵になります。

 幕末の安政3年(1856)5月刊行

浮世絵左手の赤門の屋敷は彦根藩井伊氏の上屋敷。赤門の右下に描かれているのが名水として知られた井戸「桜の井」です。その右方向の土手下に描かれている柳の木の辺りに「柳の井」があります。


名所江戸百景「外桜田弁慶堀糀町」
(出典:国立国会図書館ウェブサイト)

     

 

赤門の彦根藩井伊氏の上屋敷があったところは、国会議事堂に隣接した国会前庭(永田町一丁目)になっていました。周辺の内堀通り沿いには最高裁判所/国立劇場(共に隼町)が立ち並んでいます。


桜田濠

桜田門

国の重要文化財に指定されている門

半蔵門をスタートし、約25分で桜田門に到着。西の丸防備のために造られた大規模な枡形城門は、現存している城門の中で最大規模になります。桜田門は半蔵門と違い、24時間自由に出入りが可能。


桜田門(高麗門)


桜田門(渡櫓門)

桜田門の歴史

当初は小田原街道の始点として「小田原口」と呼ばれていました。外側の高麗門と内側の渡櫓門の二重構造からなる枡形城門。寛永13年(1636)に修築され、大正12年(1923)の関東大震災で破損し、その際に鉄網土蔵造りに改修。昭和36年(1961)6月7日、国の重要文化財に指定されています。

名前の由来

正式名は外桜田門。

現在この門は桜田門と呼ばれますが、正式には外桜田門といい、本丸に近い内桜田門(桔梗門)に対してこの名が付けられました。古くこの辺りを桜田郷と呼んでいたことに由来します。
引用:旧江戸城 外桜田門案内板

桜田門の正面には「警視庁」の本部庁舎が立っています。そのことから、警視庁も「桜田門」と呼ばれることがあるようです。

 

ココを歩いてみて

約25分の散策

半蔵門から桜田門までは緩やかな下り坂が続き、ゆっくり歩いて約25分の散策でした。車道とは区別された歩道ですが、ここでは皇居ランのランナーがランニングをしていることがありますのでご注意ください。内堀通りを挟んで、お濠の反対側には、国立劇場、最高裁判所、国会議事堂、警視庁などが見られます。

江戸時代からの景勝地

半蔵門から桜田門までの桜田濠の景観は、旧江戸城の中でも特に人気の景観となっています。旧江戸城の美しいお濠を見ながら、約25分間の散策をお楽しみください。

 

アクセス情報

●半蔵門

  • 所在地
    東京都千代田区千代田1
  • 交通
    東京メトロ半蔵門線「半蔵門」駅3b出入口から徒歩4分

●桜田門

  • 所在地
    東京都千代田区皇居外苑1
  • 交通
    東京メトロ有楽町線「桜田門」駅3番出入口から徒歩1分